アスタキサンチンの正体と意外な効用について
サケやカニなどの魚介類が持つ天然の赤色色素、これが、アスタキサンチンです。
このアスタキサンチンには、ビタミンEの500倍、そして、β-カロテンの40倍もの抗酸化作用があることが最近の研究によって分かりました。
この強力な抗酸化力によって、悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化予防やまたは、内臓脂肪を減らす効果や、女性には嬉しい美肌効果なども期待されています。
摂取したアスタキサンチンは、体内でビタミンAに必要に応じて変化し、これが体の粘膜や上皮細胞を保護してくれます。
皮膚が健康で丈夫であると、シミやしわの改善、美肌効果へとつながります。
アスタキサンチンにはアンチエイジング効果もあるのです。
特にアスタキサンチンの抗酸化作用は、目の健康にもとても良いとされています。
パソコンやスマホを長時間使用して目を酷使することが多い現代社会において、どうしても目の筋肉は疲労しがちです。
目のピント調節機能にも少なからず支障が起こってしまい、眼精疲労の状態となってしまいます。この状態を改善するのに効果的なのが、アスタキサンチンです。
抗酸化力を持つアスタキサンチンは、目の網膜に直接働きかけ、疲労した筋肉に作用し、目の健康状態を改善してくれます。
網膜の血液循環をコントロールしている血液網膜関門をアスタキサンチンが通過し、目の周辺に抗酸化物質を届けてくれるからです。
発生した活性酸素の働きから眼を守り、そして老化も防いでくれます。
また、紫外線が原因と考えられる目の病気などにも効果をもたらしてくれるとされています。
このアスタキサンチンを特に多く含むとされる鮭は、日本人の朝の定番メニューともされて、よく食卓にもあがる魚だと思いますが、みなさんは、いつもどのように調理して召し上がっていますか?せっかくですから、アスタキサンチンを効果的に摂取したいですよね。
アスタキサンチンを効果的な摂取のために
シャケ
まずは、鮭を選ぶ時、鮭の身をしっかり見てください。
身の赤い色が濃くて、色つやや弾力が良いものを選びましょう。アスタキサンチンは赤い色素成分ですので、身の色が濃いということは、それだけアスタキサンチンも濃縮されているという証拠です。たくさんのアスタキサンチンが含まれているものを選びましょう。
また調理の際、アスタキサンチンは、油との相性が抜群です。アスタキサンチンは脂溶性なので、油を使用したソテーなどの調理法が効果的にアスタキサンチンの力を引き出すことができるでしょう。
脂ののったサーモンのソテーはシンプルながらも鮭の旨みが味わえ、その上、効果的にアスタキサンチンを摂ることができます。
他には、サーモンのカルパッチョもおすすめです。
生のサーモンにオリーブオイルとレモンをかけて、さっぱりといただくことができます。
その上、アスタキサンチンはビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がるので、レモンのビタミンCと相乗効果をもたらしてくれる食べ方でもあります。
また、焼き鮭をほぐして、イクラと一緒に白いご飯の上に盛り付けた親子丼はアスタキサンチンがたっぷり。
ちなみに、アスタキサンチンの適切な1日の摂取量は、約2mg~6mgとされています。これは、だいたい、鮭の切り身2切れ分、または、イクラ100g程度となっています。
鮭以外にも、カニやエビなどの甲殻類にもアスタキサンチンは多く含まれています。
カニやエビを茹でると赤くなるのは、甲羅などに含まれるアスタキサンチンが発色するからです。
エビなどは身にも多少は含まれていますが、殻にアスタキサンチンが多く含まれているので、桜エビなどをかき揚げなどにして食べると良いでしょう。
アスタキサンチンを美味しく上手に摂取しましょう。