DHAっていったい何?体の中でどんな働きをしているの?
DHA(ドコサヘキサエン酸)は不飽和脂肪酸の一つで、さらにその中の多価不飽和脂肪酸に分類されます。青魚にはDHAの他にもEPA(エイコサンペンタエン酸)が多く含まれています。
これらの不飽和脂肪酸は、体内で自ら作り出すことができないため、必須脂肪酸と呼ばれ、食べ物から摂取しなくてはなりません。
食べ物から摂取したDHAなどの不飽和脂肪酸は、体のなかで細胞膜の材料として使われています。
DHAは固まりにくい性質があり、DHAが細胞膜の材料としてとりこまれると、細胞にしなやかさが加わります。これによって、神経細胞がしなやかになり、情報伝達がスムーズに行われるようになるのです。
神経細胞が多く集まる脳では、DHAが重要な栄養素となっているのです。そのため、「青魚を食べると頭が良くなる」と言われていますが、頭が良くなるというよりは、「青魚に含まれるDHAは脳に必要な成分」ということです。
目の中ではどのように利用されているのでしょう。
目の中でも、網膜や視神経の細胞の材料としてDHAは使われています。DHAが多く含まれるほど、しなやかに、そして素早く網膜からの情報を脳に伝えることができるのです。
DHAは赤血球を柔らかくしたり、血管細胞もしなやかにするため、これにより体の血行もよくなります。血行がよくなると、網膜や視神経に酸素や栄養がゆきわたるようになるため、目の細胞が生き生きと活性化します。
このように、DHAが細胞の組織に十分に利用されることで、視力の回復や眼精疲労、老眼の予防などの効果も期待できるのです。
「魚を食べると頭が良くなる」と話題になったDHAですが、その他にも悪玉コレステロールを少なくしたり、中性脂肪を減らしたり、目にも良いと健康に良いことずくめなのです。
では、このDHAはどのように取り入れたらいいのでしょうか。
先に紹介したようにDHAは不飽和脂肪酸で、魚の脂に含まれています。特に青魚と呼ばれる、イワシ、さんま、サバ、アジなどの脂に多く含まれています。
ご存知のとおり、旬の時期の魚は脂がのっているため、DHAの含有量も多くなります。
鮮度の良い、おいしい旬の魚を食べるのがオススメです。
この時に注意したいのは、調理法です。せっかくたくさん含まれているDHAを無駄にしないようにするため、煮汁も残さず食べれる工夫をしましょう。
一番効率的な方法はお刺身で食べることです。
また、加熱調理の時は、魚の脂の旨味が染み込むようなぶり大根や、煮汁ごと食べれるつみれ汁などが理想です。そして、ホイル焼きやムニエルなども、一緒に調理する野菜が脂を吸ってくれるため、DHAの無駄が少ない調理法です。
また、一人暮らしや、魚の調理が苦手な方は、魚の缶詰がおすすめです。手軽に魚を食べることができますし、時期を問わず、スーパーやコンビニでも買うことができます。
鯖の味噌煮や、さんま、アジの蒲焼きなどの缶詰にはDHAやEPAがたくさん含まれています。
最近売られている缶詰には、栄養成分表示にきちんとDHAなどの記載があります。缶詰の煮汁にも有効成分が溶け出しているため、残さずいただきましょう。
さんまの缶詰を卵とじにしたり、炊き込みご飯にしたり、アレンジすれば飽きずに食べることもできます。
青魚ほどDHAの含有量はありませんが、サケにも含まれています。青魚が苦手な方も、サケなら手軽に挑戦できるのではないでしょうか。
魚がもっている素晴らしい栄養素であるDHA。賢くなりたい子供ももちろんですが、健康に気をつけなければならない大人たちが摂取することが大切なようです。
今まで、目との関係を取り上げられることはあまりありませんでしたが、視力の回復や老眼の予防も期待できます。
今日のメニューから取り入れてはいかがでしょうか。